医師の残業時間の実態!残業代を請求する方法
コラム記事
2022/3/1
日本では長年、医師の長時間労働が常態化してきました。
しかし、働き方改革の推進により他の仕事同様、長時間労働の是正など、勤務環境が改善されつつあります。
また、昨今は医師の働き方も多様化しており、勤務先や働き方を考える上でワークライフバランスを意識する医師も増えています。
今回は、医師の残業時間や勤務実態について見ていきながら、医師が残業代を請求する際のポイントをお伝えしたいと思います。
医師の残業時間の実態
一般的な原則として、労働時間の上限は「1日8時間、週40時間」と労働基準法で定められています。
医師は高収入なイメージがありますが、勤務医の場合は特に残業が多く、一部では適切な残業代が支払われていないサービス残業なども見られます。
厚生労働省が7月31日、2019年9月に行った「医師の勤務実態調査」によると、2024年度に始まる罰則付き時間外労働時間上限規制で基本となる水準を超えた勤務医は37.8%でした。
中でも回答者の上位10%は、年間1,824時間を超える時間外勤務を行っていることが明らかになりました。
株式会社日本能率協会総合研究所が行った「平成27年度厚生労働省委託事業 病院アンケート調査結果」では、医師の残業時間は1ヶ月あたり平均34.1時間となっています。
診療科や勤務形態によっても異なりますが、多くの医師が残業を余儀なくされていることがわかります。
残業の上限規制とは
ここで、今後の医師の働き方に影響してくる「残業の上限規制」について見ておきたいと思います。
日本では働き方改革における長時間労働の是正の取り組みとして、労働基準法改正により罰則付きの残業時間の上限規制が一般の労働者に対して適用されています。
そして2024年4月からは、医師にも残業の上限規制が適用される予定となっています。れています。
具体的な内容は確定していませんが、医師の残業は年1,860時間が上限となる予定で、これを超えて働かせた場合は、病院側に罰則が科されることとなります。
ただし、地域医療を担う病院など残業が避けられない場合や、短期間で医師の養成をしなければならないケースなど、一部に関しては例外が認められる予定です。
ケース別にみる残業の考え方
医師という職業は、宿直やオンコール待機など特有の働き方があります。
それが報酬が支払われるべき労働時間に該当するかどうかは、労働者が行う行為が使用者から義務付けられたものかがポイントになってきます。
具体例として、着替えや清掃など、業務の準備に必要な時間や待機時間、参加が義務付けられている研修、使用者の指示により行う学習などは全て労働時間とみなされます。
それでは、宿直やオンコール待機時間に残業代は出るのか、いくつかのケースを見ていきましょう。
・研鑽の時間
新しい治療法や新薬に関する勉強、自らが術者となる手術や処置についての予習・復習やシミュレーターを使った練習など、上司等の指示で行うものは労働時間に含まれます。
・宿直時間
医師の宿直の場合、仮眠中に一定の場所で待機し、必要に応じて作業に従事する義務がある場合は労働時間とみなされます。
ただし、許可基準に準拠した宿直業務である場合は、深夜早朝割増賃金を含む宿直手当と、宿直中に通常の労働をした場合の賃金を除き、残業代は発生しません。
・オンコール待機時間
自宅でのオンコール待機の場合はより自由度が高いため、待機時間が労働時間に該当するか判断が分かれます。
医師のオンコール待機は、要請があれば迅速に駆けつける必要があり、緊張感を持って待機しなければなりません。
そのため、オンコール待機中の活動の制限や出動要請の頻度、呼び出された場合にどの程度迅速に現場に到着しなければならないかなどの要素を踏まえ、個別で判断すべきとされています。
オンコール待機時間が労働時間に当たるか判断に迷った時は、弁護士等専門家に相談すると良いでしょう。
医師が残業代を請求する際のポイント
医師には高額な報酬が支払われることもあり、医療業界ではサービス残業も珍しくありません。
どうしても労働時間が長くなりがちな医師ですが、勤務医の場合は一般的な労働者同様、労働基準法の規定にしたがって残業代を請求することが可能です。
最後に、医師が残業代を請求する際のポイントをいくつかご紹介します。
病院によっては残業代を含めたものとして基本給や年俸、手当を決定しており、それとは別に残業代を支払う必要はないと主張する病院もあります。
また、管理職には残業代を支払わなくて良いとしている病院もあります。
しかし、残業代は労働に対する正当な対価であるため、年俸制や固定残業代制、また管理職であっても残業代が請求可能です。
残業代を請求する際は、まず未払いの残業代を計算し、病院に内容証明郵便で請求書を送って交渉しましょう。
それでも支払われない場合は、労働基準監督署や裁判所を利用して請求することになります。
裁判では未払い残業代の証拠となる資料が必要になるため、シフト表やタイムカードなどを準備しておくと安心です。
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